『ブラジル旅行記』
松本薫樹(初段)

7月21日〜29日まで、ブラジル勢和会への出稽古を兼ねたブラジル旅行に、桑島師範、二宮通彦2級と二宮君のお母さんと4人で行ってきました。かなり前から桑島師範が、ブラジルのアデミール師範に会いに行きたいと話されていたところ、今回ブラジルに里帰りする二宮君のお母さんに一緒に連れて行ってもらえることになりました。私も師範に誘っていただき、行けることとなりました。
7月21日、朝9時に道場に集まり、長い長いブラジルへの旅が始まりました。高知航空から、羽田空港、そして成田空港から地球の反対側ブラジルへ。成田空港で、これらの旅の無事を祈り乾杯をして、勢いをつけ、快適な!とはいえない空の旅が始まりました。
もちろんエコノミークラスに乗り込んだのですが、LLサイズの師範と私が隣同士、その隣も体育会系のビッグサイズの方が座られ、身動き一つできない状況のまま12時間飛行機に揺られました。やっと着いたと思いきや、そこはまだニューヨーク。そこからまた乗り継ぎ8時間、道場から出発し1日半でやっと目的地ブラジルのサンパウロに着きました。(機内食が定期的に出るのですが、動けないのであまりお腹も減ってないのに食べさされ、ちょっと養殖されている気分になり、足もむくんで豚の足みたいになっていました。)
サンパウロ空港では、あの有名なアデミール師範が待っていてくださいまいた。私は試合のビデオでした見たことが無かったので怖いイメージがありましたが、実際に会うと本当に優しい目をした方でした。そこから、師範のお弟子さんの車でカンタベローのホテルに、連れて行ってもらいました。その車の道中から早くも桑島師範とアデミール師範が、二宮君のお母さんを通訳に熱い空手談に花を咲かされていました。
ホテルでひと休みして、ルシアーノ・バジレ選手とアデミール師範と一緒に昼食に行きました。初めて食べるシュラスコ料理にびっくりしました。でっかい串に刺さった肉を持った兄ちゃん次から次へと持ってきます。拒否するまで、いくらでも持ってきます。肉もすごくおいしくて、ビールと一緒に力の限り食べました。
それからブラジル人が好きなビンガを初めて飲み、随分と強い酒で昼間からフラフラになっていました。その晩には、アデミール師範のファミリーとも食事をさせていただきました。勿論、料理はシュラスコでした。本当にブラジル人の主食は肉というのもうなずけました。自分より子供のほうが、沢山の肉を、涼しい顔でたいらげていました。
アデミール師範は、4人家族で奥さんは日系人のソニヤさん、ちょっとオマセで美人のカレンちゃん、元気いっぱいのアキヨシ君で、みんな仲がよく私達を歓迎してくれました。食事を終えてからホテルに戻り、次の日からの稽古に向けて就寝しました。
2日目は、朝からアデミール師範のファイトジムの中のウエイトジムで汗を流しました。このジムには、ウエイトジムと道場とリングがあり、空手の他、キックや柔術などいろいろな教室が行われていました。ジムのほうも朝からけっこうたくさんの人が活用しており、すごく活気がありました。
夜、初めて空手稽古に参加しました。勢和会では、1日3回ぐらい稽古があるのですが、クラス分けはなく、子供から大人までが混じった稽古でした。
稽古の内容は、基本と移動が中心で、私の知らないのも多々ありとまどいまいた。選手用の稽古は、スペシャルトレーニングといわれ、次の日にあると聞かされました。不安と期待が、入り混じった気持ちになりました。
稽古が終わりアデミール師範に連れて行ってもらったのは、日本料理店でした。そこには、船盛りや寿司などがあり、かなり本場に近い味でした。ブラジルには日系人が多く、日本食がいたるところに置かれていました。(しかし、デパートで食べたラーメンは恐ろしくまずかった)
3日目は、朝から夜の稽古にむけ体調を整えようとしていましたが、昼食に勢和会の後援会のダイクワラ社長と豆料理の店に行きました。そしてまたたらふく食べてしまい、胃の調子が連日の暴飲暴食で絶不調のままスペシャルトレーニング時間が来てしまいました。その稽古で、日本との組手スタイルに戸惑いながらでしたが、大変勉強になりました。勢和会の黒帯はみんな上段がうまく、あらためてガードの重要性を思い知らされました。
4日目は、稽古は休みで昼にお土産を買い、夜はアデミール師範の家に招待され、ソニヤさん特製ピザなどおいしい手料理をふるまっていただいたり、勢和会のビデオを見せていただいたりと楽しい時間を過ごさせていただきました。
5日目は、朝から買い物に連れて行っていただいたのですが、その前にブラジルのFBIガーラといわれる、警察署の見学をさせてもらい、買い物の場所が危険なため護衛付きで買物し、少し、VIPな気持ちにひたりました。
6日目は、朝二宮君親子と別れたあと、サンパウロ観光に行きました。セントラルパークなどに連れて行ってもらい、サンパウロを堪能してきました。ブラジル観光でびっくりしたことは、みんな車の運転が非常に粗いということです。どの車もレーサーのように運転しており3回ぐらいもうだめだと思いました。
そして、とうとう最終日がやってきました。その日は、勢和会の指導員による基本・型の統一稽古に参加させていただきました。みんな意見を交換しながら、ひとつひとつ丁寧に決めていっていました。
稽古の後はもちろんシュラス料理でパーティーでした。勢和会のパーティーも桑島道場とよく似ており、みんながとても仲良く楽しい雰囲気でした。その途中でさすがブラジル、サッカーが始まり、参加させていただけました。
私も、“さぬきのリバウド”と呼ばれる男だ、恥をさらしては日本に帰られないと固く誓ったのです。しかし、顔が似ているだけでは、勿論何も出来ず、最後は少年にも笑われる始末でした。
その後もビンガなどをたくさん飲み(飲まされ)、フラフラになりながら空港まで送っていただきました。そして、アデミールファミリーと最後の別れを交わして飛行機へと乗り込みました。それからまた丸1日かけて日本へ帰りましたが、ブラジルの思い出がたくさんありすぎて、思い出すだけで行くときよりも飛行時間が短く感じました。
今回、こんな貴重な体験をさせていただいた桑島師範、ブラジルでいろんなことを助けていただいた二宮君とお母さん。そして、大変お世話になったアデミール師範とファミリー、そして勢和会の皆様。本当に心から感謝しています。有り難うございました。
私は、この旅で空手に国境はないという言葉を痛感しました。この貴重な体験をもとに、これからも自分自身が向上していくように頑張りたいと思います。押忍

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